ご提案書

受注業務の自動化と、
経営数値の予測に関するご提案

宛先株式会社マルー 御中取締役 高井 様
提出日2026年8月4日
提出者株式会社ピースフラットシステム関川
本提案の内容を、実際に操作できるデモ画面でご用意しました
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1エグゼクティブサマリ

  • 課題:お客様から届くFAX注文書を人が目で読み、基幹システム(アラジンオフィス)へ手入力されています。営業を営業に専念させるため事務へ寄せた結果、今度は事務側の人員が膨らむという構造になっています。
  • 提案:LLM-OCRで注文書を読み取り、APIの入口がないアラジンオフィスへブラウザ操作で自動投入します。AIが自信を持てない注文書だけを人が確認する運用です。あわせて、部署ごとに分断されているデータを紐付け、資金繰り・業績の予測を可視化します。
  • 期待効果:受注入力を「手入力」から「確認だけ」へ圧縮。まずは1取引先・1様式のスモールスタートで効果を確かめてから、対象を広げるかをご判断いただけます。

2御社の課題認識

先日のお打ち合わせで伺った内容をもとに、以下のように理解しております。

(1) 受注データが手入力であること

お客様からのご注文はほとんどがFAXで、一部が電話・メール。それを人が読み取って基幹システムへ入力されています。高井様の言葉をお借りすれば、

「結局のところ、受注データっていうのは手入力なんですよね」

という状態です。注文書の様式統一もアイル社様にご相談されていますが、お客様それぞれに独自の注文用紙があり、「お客様側に負担をかけない形でないと現実的ではない」というご判断も伺いました。この点は弊社もまったく同意見です。御社が変わるのではなく、届いたものをそのまま処理できる仕組みを作るべきだと考えます。

(2) 事務作業を寄せた結果、事務側の人員が増えている

「営業マンは営業に徹すること。事務仕事は全て事務の方にまわして」

という方針で業務を変えられた結果、営業成績は伸びた一方で、事務担当の人数が増えるという現象が起きている、と伺いました。加えて売上増に伴い物流倉庫の出荷業務も逼迫しており、「自動化をやっていかないといけない岐路に立っている」というご認識をお持ちです。

(3) 基幹システムに連携の入口がない

基幹システムはアイル社様のアラジンオフィス(一部カスタマイズ)をご利用中です。連携についてご相談されたものの、

「アイルさんは自社の基幹ソフト以外のことは提案してこない」

「カスタマイズで何百万円かかるという話になってしまう」

という状況とのことでした。APIの入口がないことが、自動化の最大の障壁になっています。

(4) 見積単価がベテランの経験に依存している

見積書は営業担当が作成されています。輸入品を扱われるため為替と現地相場で単価が動き、さらに地域ごと・お客様ごとの固有条件がある。「ベテランなら自分の頭で考えて出せるが、それを今後は誰でもできるようにしたい」というお話は、まさにAIが得意とする領域です。

(5) 資金繰りが人の経験と勘に頼っている

こちらは高井様からご提示いただいた課題です。海外からの輸入は前払いが基本で、船便のため着荷は数ヶ月後。発注額が大きく口座残高が一時的に大きく減る一方、お客様からの入金は締め・サイトがバラバラ。

「部署ごとに分かれていて繋がっていない。データを全部紐付ければ、絶対に予測はできるはず」

ご指摘のとおりです。これは新しいデータを集める話ではなく、すでに社内にあるデータを繋ぐだけで実現できます。

【業界動向】 食品・農産物の輸入卸では、円安と現地相場の変動により調達コストの読みにくさが増しています。同時にLLM(大規模言語モデル)を用いたOCRが実用水準に達し、手書き帳票の読取精度は従来の60%前後から90%超へと大きく改善しました。「精度100%を待つ」のではなく「AIが自信のない箇所だけ人が見る」運用が、現実解になりつつあります。

3ご提案内容

全体像

御社の業務のやり方を変えず、システムとシステムの「間」を自動化します。ツールを新しく導入いただく必要はありません。

【最優先】FAX受注の自動入力 お客様からFAX着信(複合機) ↓ 24時間・夜間も無人で検知 LLM-OCRで読取(手書き対応) ↓ カレンダーの丸印を「納期」と解釈するなど、文脈で判断 取引先マスター・商品マスターと照合 ↓ 過去の注文パターンを学習し、略記も特定 項目ごとに確信度を判定 ↓ ┌──────────────┴──────────────┐ ↓ 確信度が高い ↓ 確信度が低い アラジンオフィスへ自動入力 担当者の確認画面へ (ブラウザ操作で実現) (原本と並べて表示・修正して確定) ↓ 倉庫へ出荷指示 / Slackへ完了通知

技術的なポイント:APIがなくても連携できます

アラジンオフィスにAPIの入口がない点は、Playwright(ブラウザ自動操作技術)で解決します。人がブラウザで受注入力画面を開き、取引先コードを入れ、明細を打ち込み、登録ボタンを押す——この一連の操作をプログラムが代行します。

RPAをご検討されたことがあるかもしれませんが、従来のRPAが「ボタンの位置を1つずつ教え込む」方式だったのに対し、こちらは画面の中身を理解して操作する方式です。画面レイアウトが多少変わっても追随できます。

アイル社様の改修も、高額なカスタマイズも必要ありません。

「読み取れるのか」というご懸念について

高井様から、注文主と発送場所が異なるケース、注文書のパターンが複数あるケースについてご質問をいただきました。結論として、いずれも処理可能です。

ご懸念対応方法
注文主と発送場所が違う取引先マスターの届け先情報と突合。通信欄の「いつもの倉庫へ」といった記述も文脈から判定します
注文書のパターンが複数ある取引先ごとに様式を学習させます。「この注文主ならこの商品」というパターンは、まさにAIが学習で精度を上げられる領域です
納期がカレンダーの丸印単純な文字認識では読めませんが、AIエージェントであれば「7月のカレンダーで29に丸=7/29納期」と解釈できます
手書きのかすれ・訂正確信度が下がるため自動では確定させず、確認画面へ回します
御社は取引先マスター・商品マスターをすでにお持ちで、注文パターンも定型化されています。これは自動化の条件として非常に恵まれた環境です。

業務フローの変化(Before → After)

Before(現状)After(導入後)
FAX受注全件を人が目で読み、手入力AIが自動入力。確信度の低いものだけ人が確認
夜間・休日の着信翌営業日に人が処理着信した時点で自動処理
出荷指示入力後に人が倉庫へ連絡登録と同時に自動送信
見積単価営業担当の経験と勘為替・相場・過去実績から根拠つきで推奨単価を提示(判断は担当者)
資金繰り経験と勘、部署ごとに分断90日先までの残高を予測し、下限割れを事前に警告
営業日報移動後にまとめて記入音声メモから下書きを自動生成(所感の確認は本人が行う

段階的に広げる領域

FAX受注の自動化を第一歩として、以下を順次ご提案します。

① 資金繰り・業績予測

アラジンオフィスの受注・請求データ、海外仕入先への前払送金予定、船便のリードタイム、取引先ごとの締め・支払サイト——これらを紐付けて90日先までの銀行残高を予測します。「前払いが同じ週に集中して残高が下限を割る」といった事態を、事前に検知できます。

② 見積単価アシスト

為替(TTS)、産地の現地相場、その取引先との過去実績、納入地域の条件を掛け合わせ、推奨単価を根拠つきで提示します。ブラックボックスにはせず、なぜその単価なのかを必ず画面に表示します。ベテランの相場観を、若手が再現できる形にするのが狙いです。

③ 営業日報・在庫照会

移動中の音声メモから日報の下書きを自動生成し、顧客管理ツールへ連携します。また、営業担当がお客様先からスマホで在庫を照会できるようにし、「持ち帰って確認します」を減らします。

日報AIについて一点補足させてください。 高井様が「全部AIでやってしまうと、経験しないまま管理する立場になったときに困る」「社員には立派に育ってほしい」とおっしゃっていた点は、弊社としても強く共感するところです。そのため日報AIは下書きの生成までをAIが担い、所感の確認と最終確定は本人が行う設計にしています。削るのは「書く手間」であって、「考える時間」ではありません。

弊社の立ち位置

弊社はシステム開発会社です。ツールを売って終わりではなく、業務フローの棚卸しから一緒に入り、どこを自動化すべきかを設計したうえで、実装まで自社で行います

「DXが進まない理由は、システム開発会社やSaaS側が実務を理解できていないから」

という問題意識から、この伴走型の支援を行っています。高井様が懸念されていた「ソフト会社主導で進んでしまい、納品されたときには使えないものになっている」という事態を防ぐための体制です。

御社側にIT人材を採用いただく必要はありません。御社のAI・IT相談窓口として機能します。アイル社様との折衝も、必要であれば弊社が同席してご説明します。

4類似事例

事例①:建材・金物流通業A社(受発注のAI-OCR自動化/進行中)

FAX・メール・PDF・CSVと多様なチャネルで届く注文を基幹システムへ手入力されており、受注入力に相応の人員を割かざるを得ない状況でした。過去にOCRを導入検討されたものの、読取精度が100%に届かず断念された経緯をお持ちでした。

「AIでも100%にはならないのでは」というご懸念に対し、確信度が高い明細は自動確定し、AIが自信を持てない明細だけを人の確認画面へ回す設計をご提案。原本の読取画像とAIの候補を並べて表示し、選択・修正して確定する運用としました。精度100%を待たずに「手入力」を「確認だけ」へ圧縮するという考え方です。

→ 御社への示唆:御社の手書きFAXも同じ考え方で対応できます。全件を人が見る必要はなくなります。
事例②:中堅建設業A社(従業員200名規模/n8nによる業務自動化/受注)

複数のシステム(勤怠システム・車両運行記録・各種申請)にデータが分断され、経理部が200名分の突合と帳票作成を手作業で行っていました。既存システムを入れ替えず、n8nをワークフローエンジンとして各システムのデータを自動連携し、帳票を自動生成、異常値のみSlackへ即時通知する仕組みを構築しました。

金額は数十万円規模。既存ツールをそのまま活かすことで、導入コストを抑えつつ業務フローの変更を最小限にできる点をご評価いただき、ご発注に至っています。

→ 御社への示唆:「部署ごとにデータが分かれていて繋がっていない」という状態は、システムを入れ替えなくても解消できます。
事例③:再生可能エネルギー業A社(営業部10名規模/進行中)

日常業務の自動化をn8nで月額5,000円程度の運用コストで実現しています。大がかりな基幹システム刷新ではなく、既存の業務の隙間を埋める形の自動化です。

→ 御社への示唆:自動化=高額投資、ではありません。小さく始められます。

5スケジュール・体制

高井様から「小さく試して、うまみが取れるようなら次の段階へ」というお考えを伺いました。その方針に沿ったフェーズ設計としています。

Phase 0
業務フローの棚卸し・優先順位の決定
現行の注文書サンプルの収集、マスター構造の確認
2〜3週間
Phase 1
FAX受注の自動入力/1〜2取引先・1様式に限定 <スモールスタート>
読取精度と運用フローの検証
約1.5ヶ月
Phase 2
対象取引先の横展開
様式の追加学習、倉庫への出荷指示連携・Slack通知
約2ヶ月
Phase 3
資金繰り・業績予測ダッシュボード
受注・発注・入金サイトの紐付け、90日先の残高予測
約2ヶ月
Phase 4
見積単価アシスト/営業日報AI/在庫照会
順次ご提案します
順次
Phase 1 で成果が見込めないと御社がご判断された場合、そこで終了いただいて構いません。 段階的に確かめながら進める前提です。

体制

  • AIコンサルタント 1名(業務設計・優先順位づけ)
  • エンジニア 1名(実装・基幹システム連携)
  • 定例ミーティング:隔週または月次(ご都合に合わせます)

アラジンオフィスの契約更新(2年後)について

契約更新のタイミングで基幹システムを見直される可能性を伺いました。この点について、弊社の提案は更新を待つ必要がありません

今回構築する仕組みは「OCRで読み取る部分」と「基幹システムへ入力する部分」が分離した構造です。2年後に別のシステムへ移行される場合も、入力部分だけを差し替えれば、同じワークフローをそのまま継続できます。今から着手いただいても無駄にはなりません。

6概算費用

項目金額備考
伴走支援(月額)月額 35万円〜AIコンサルタント+エンジニアが稼働。業務設計から実装まで含みます
初期費用別途ご相談Phase 0 の範囲によります
ワークフロー運用費月額 5,000円〜1万円程度n8n(クラウド版)。本数が増えても大きくは変わりません
社員を1名採用されるのと同程度のご予算で、AIコンサルタントとエンジニアの2名体制が使える、という位置づけでご覧いただければと思います。
なお、正式なお見積りは8月の予算調整のタイミングに合わせて別途ご提出いたします。上記は検討の目安としてご参照ください。

パッケージ製品の買い切りではなく伴走型としているのは、御社の業務フローに合わせて作り込むためです。既製パッケージに業務を合わせると、高井様がご懸念のとおり「かえって効率が悪くなる作業」がどうしても発生します。

7ネクストステップ

以上、ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。 株式会社ピースフラットシステム 関川